057 アートの冴える時

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経営コラム SOLID AS FAITH 第57号
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ご愛読ありがとうございます。第57号をお届けします。

前の号で告知致しました『稼ぐホームページ作りなら、こんな常識捨てなさ
い。?中小企業向け、利益を生むホームページ活用術?』と(仮に)題した資
料のお申し込みは2ケタに到達しました。ご関心ありがとうございます。

広告代理店やホームページ制作会社の都合にだけ則った、儲からないホーム
ページから脱却するにはどのようなポイントに配慮すべきかを、数社でのログ
解析などの結果を踏まえてまとめたものです。申込み受付は3月末まで行って
おりますので、ご希望の方は、巻末の案内をご覧下さい。

今回の号は、40近くなって久々に手にした、アイドルの写真集の話から、
「購買」について考えたことをまとめたものです。お楽しみ戴けましたら幸い
です。いつもの如く、ご意見・ご感想はお気軽にメールにてお寄せ下さい。必
ずお返事致します。返事の納期は5営業日!
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その57:アートの冴える時

先日、アイドルの写真集を買った。古本屋で2000円で買った。私が中学校時
代に大好きだったフィーバーと言う3人組のアイドルグループの写真集である。
積年の思いがやっと結実した瞬間である。感激した。

子供の頃、この写真集を本屋で見つけて来週買おうと決め、翌週行ってみた
ら、売り切れていた。探し回ってもどこにもない。結局、見つからなかった。
狙ったものは、念じて記憶しておき、それを見つけたら躊躇なく買おうと子供
心に決めた。信念・信条と言うより、トラウマに近い。

トラウマの原点である写真集をとうとうこの手に収めた。しかし、その後、
私は繰り返してめくるわけでもなく、本棚に無造作に入れたまま、それを放置
している。

「薦め」や「煽て」に乗って購買をする人がいる。私の実家のぶら下がり健康
機にはハンガーが幾つもぶら下がっている。衝動買いと言う行為自体が、満足
感ある「商品」である。「最後の一品」に弱くて、店員にそれを言われると買
わずにいられなくなる人の話を何かで読んだ。

パーミッション・マーケティングと言うのが流行っているらしい。買い手が
自分を熟知していると想定し、その望む情報を選別して送る点に斬新さがある
らしい。無理な販売をして経営の憂き目に遭った会社は数知れない。購入を相
手に無理強いするのを戒めるための教えなら、あまり耳新しくない。

ハードセラーの営業マンは口をそろえて言う。「お客様をその潜在ニーズに
気づかせているのだから、無理強いしているわけではない」「お客様は、この
商品の価値を理解していないからきちんと説明して分からせたのだ」と。

人は自身のニーズを正確に把握しているから、必要な情報を提供するだけで
よいのか。それとも、相手は自身の欲しいものまで教えてもらわねばならない
無知蒙昧な輩なのか。

人の為す技を全部ひっくるめて、英語では「アート」と言う。数多い顧客の
中に常時理性的な人も、常時蒙昧な人もほとんどいない。揺れ動く人の心を捉
えて購買に導く販売の技も、十分「アート」と呼ぶに値すると思い知らされる
ことがある。
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「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)

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次号予告: 第58号 名乗る者(3月10日発行)
接客者と顧客の払う対価について、些細なことから考えてみたコラムです。
ご期待下さい。
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今後の発行予定
60号まで発行致しましたら、私が連載をしております『月刊フランチャイズ』
に掲載のコラムを3?4回にわたって紹介する予定です。誌面とは違った、元
原稿のモンキリ型、断言満載の3000字原稿をお楽しみ下さい。掲載のものとは
かなり表現が違いますので、既に誌面でお読みになった方もお楽しみ戴けると
思います。ご期待下さい。